蔦を伝って


歯医者の駐車場に車を止める。
少し早く着きすぎたので駐車場の壁に生えている蔦をポラロイドに収める。その他にも色々撮るが気分が乗らずすぐに車に戻る。
「ああ、抜かなきゃだめかな。」と呟くと、
後ろにいるネズミがいう。
「その決断をするために、親戚の知り合いの伝まで使ってこの歯医者にきたんだろう。」とネズミ。
「そうだけどやっぱりショックだよ。」
「まあまあ、綺麗な歯科助士がいるかもしれないだろ。」とネズミ。
「お前はいいよな、いくらでも生えてくるんだら」と僕はネズミにぼやいた。

程なくして予約していた時間になり車を降り、階段を登ってドアを開ける。ネズミの予想はあたり、綺麗な歯科助士がいた。
彼女に名前を告げ保険証を出し、アンケートを書く。
しばらく待合室で落ち着かない時間を過ごしていると奥からドクターらしき人が出てくる。
「あなたがminoresuさん」と朗らかそうな医者。
「そうです。よろしくお願いします。」と告げ診察が始まる。
レントゲンを撮って懇切丁寧に説明をしてくれる。
こちらの質問にも他の症例の資料など見せながら納得が行くまで説明してる。
一通りの説明が終わり待合室で待つが、いわゆるセカンドオピニオンなので御代は要らないとの事。
丁寧にお礼を言い。歯科医院を後にした。

「結果は同じだったね。」と僕。
「だけど心は決まったんだろう。」とネズミ。
僕は小さくうなずく。

「まあいいじゃないか、美人の歯科助士も見れたんだから。」とネズミ。
「やれやれ、まあそういうことにしておくか。」と呟いた。
治療をがんばったら自分にご褒美をやろう、そう心に決めて帰路に着いた。

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