新しい大統領


僕は高校一年の時、何事にも冷めていた。
そんな時、ホームルームの時間に進路希望調査表(将来なりたいもの調査)が配られたことがあった。
僕はその用紙に『サラリーマン』と素っ気なく書いていた。
担任がみんなの書いている様子を見回っていて、僕の所で足を止めて、一言いう。
「お前、夢がね〜な。」
それを聞いた僕は、
「じゃあ、大統領にします。」という。
すると、後ろのクラスメートが
「おめえ、バカだろう。日本に大統領なんていないよ、日本は総理大臣だろ。」という。
僕は、「ちがうよ、アメリカ大統領だよ。」と言ってもっとバカにされたのを覚えている。


写真にあるアメリカの国会議事堂前は人々で溢れている。
そしてバラク・オバマ氏の大統領就任演説が始まる。
アメリカの歴史と今後を表すその演説には決して明るさはなく、アメリカ国民や世界中の国々の絶え間ない努力を鼓舞するもの。
世の中が暗い時代だからこそ、頼るでもなく、すがるでもなく、民衆の心から困難な課題に向かわせるリーダが必要なのだなっと演説を聴いて感じる。
やはり、大統領と総理大臣では違うなと今改めて思う。