平等に降り注ぐ雪と


この間、今シーズン最後の雪と書いていたのに、今晩シンシンと雪が降る。
先週、雪と涙というタイトルをつけてみたが本当に感じた事。


僕は今まで写真を見て本当に感動した事はなかった。


先週のとある真夜中の事、ベットに入りながら何気なくテレビを見ていた。
そのテレビは、日本で培った農作法をアフガニスタンで実践すべくボランティアで働くある青年のドキュメント番組だった。
その青年は干害用水路の工事に従事し、その数年後には、その干害用水路が完成した時に育てるための農作物を育てるための実験農場で働いていた。
実験農場では日本の戦中戦後の食料危機を救ったさつまいもを栽培していた。
一年目は、全く育たず。
二年目は、育ったが土の中にいる害虫に殆どすべて食べ尽くされていた。
三年目は、ヒョウにやられた。
四年目についにサツマイモを収穫する事ができた。
たしかそんな感じだったと思う。
その青年は、最初はその実験農場での作物の記録として写真を撮影していたが、次第に現地の子供達を撮ることも多くなっていた。
そんな中の一枚が、肥料にもなるからということで植えた菜の花が畑一面に咲き、その花畑で少女がうれしそうに微笑んでいる写真だった。
その後青年はアフガンの地で不幸にもよそ者に殺されてしまう事になる。
テレビを見ていた時は、やるせない悲壮感と日本人の埃などが生まれただけだった。


休日にお酒を飲みながらその一枚の写真の事を話していると自然に涙が流れた。
頭にその写真が浮かび感情が溢れたのだと思う。
その一方、涙のお陰で少し気分が楽になる。


写真のパワーと言えるかどうか正直分からないが、初めて心に留まる写真だと思う。
降り注ぐ雪、アフガンにも届けば良いのにな。