男体山山頂


栃木に住むようになって海を身近に感じられなくなった一方、山を身近に感じられるようになった。
少し車を飛ばせば山がすぐ側にある環境である。


最近の自分の不甲斐なさに、旧友と共に山に登ってみることに決める。今回の山は、日光の中禅寺湖の横にそびえる男体山を上り始める。男体山成層火山で、綺麗な円錐状の形をした独立峰の山。
麓には二荒山神社があり、元々二荒山自体が山伏の修行場となっていることもあり、入山の時は巫女さんに入山料を払い、二荒山神社の鳥居を潜り抜けての登山となる。


9月の下旬、標高1000mからのスタートということもあり、気温は涼しく、登山としてはかなり快適な環境である。しかし、日ごろの運動不足の所為で、10分ほど登った時点で全身から汗が吹き出る。そして、
「こんなに、登山って辛かったっけ、なんでこんな辛い思いまでして登ってんだ、俺」という気分になる。


元々登山とは、苦労して山に登って、ただ降りてくる、馬鹿らしい行動である。
物理的には何も得る物が無い割に危険や疲ればかりが残る。
そして、一合目、二合目では、頂上もまったく見えない状態から、一歩一歩と進めていくしかない。
果てしもなく思え、無駄な行為にも思える。
その先の見えない行為に真剣に途中で引き返したくなる。


しかし、ある程度まで登って、眼下を見渡した時の景色は自分の行為を肯定的にしてくれる。
その景色は、綺麗で気持ちがいいのだ。
「山頂からの景色はどんなだろうか?」
それが足を前に出す気力にしてくれる。


昨年、仕事で英語を使う機会に恵まれた事から、今年から英会話を始めている。
はっきり言って、まったく上達の気配がない。
正直長期間休んだり、英会話教室以外の勉強をまったくしなかったり、休みがちである。
いわば1合目付近をフラフラ休憩しながら道に迷っている状態なのかもしれない。
しかし、先日実家に帰って高校の英語の教科書を復習してみようとすると、それなりに辞書を使わず読み返すことが出来る。
これが一合目の景色なのかもしれない。
気が付かなかったが、一応高校生の自分よりは、今の自分の方が幾分高い位置まで歩いてきたようで景色が良い。
もしかすると2合目に入っていて、少しは景色を励みに後は、風景を楽しみながら発音や単語を一つ一つ覚えていけばいい位置にいるのかも知れないっと思えてくる。

男体山の登山には休憩も含めて7時間かかったが、英語は比にならない位長い登山になりそうだ(一般的に1000時間以上らしい)が、もう少し汗水たらしてがんばってみるか。^^;