I used the instant camera after a long time.


写真が好きな人の中には、希少動物を撮りたいから、どこどこの山に一週間滞在したとか、夕焼けの奇麗な所を撮りたいから毎日名所と思われる所に出かけたり、はたまた、家族や知り合いや恋人達の協力を取り付けて自分の生き様を描いていく人達などいる。
もちろん好きでやっていると言われればそれまでなのだが。寒かったり、眠かったり、人との折衝があったり、楽しさの中に多少なりとも写真には僕の嫌いな努力が必要なのだ。


そんな中、僕がかけている僅かばかりの努力は、
『カメラをいつも持っている。』という、ただただ単純な事である。
「あ、カメラがあれば...」というシーンはいつあるか分からない、だから少なくとも、そんなシーンを取りこぼさないように最小限の努力をするようにしている。


そんなカメラのある日常で、会社のチームの人達と飲み会があり、いつもの様にカメラで皆を撮ろうとする。
しかし
『SDカードが入っていない。』という事に気づく。(やれやれまたか。)
途中飲み屋を抜け出して、ダメもとで近くのコンビニにSDカードを買いに行くが案の定ない。
「まあ、いいかな?」とも思ったが、棚に掛かっているフィルム付きカメラを手に取る。
そして、久々にその頼りなくも便利なカメラで写真を撮る。


そして、飲み屋から家に帰る途中、夜道に向かってカメラを向ける。
撮りたい被写体というよりは、自分が楽しくよっぱらって一人帰る様、今日の自分の様を記録する作業のような感じだ。


そして後日出来上がった写真をみると、みんなが良い笑顔で写っている。
「やっぱり撮ってよかったな。」と思う。
みんなも同じ気分であるとおもいながら。