日光写真 〜華厳滝〜


華厳の滝』という看板を見つけてF式と共に向かう。
歩いていると微かに「ザーー」という音が聞こえ、近づくにつれて次第に大きくなっていった。前方に見えるフェンスに人が群がっている。
「minoresuこっちみたいだよ。」とF式が、滝見台にせかす。
正面から少し遠くに見える滝はなんだか現実味を失わさせていた。(写真)

華厳の滝は子供の頃に一度見た覚えがある。たしか初めて見た滝が、この華厳の滝であった。その時の記憶はもっと雄大でもっと威厳があった気がする。記憶は大げさで逃がした魚が大きく感じるのと同じなのかもしれない。

滝を下からみられる下りエレベータがあり、それに乗って下りる。エレベータの扉の先には白いトンネルが続いており、前方は右に折れていて先は見えない。F式は誰よりも先に駆け足で駆けていく。僕もその後を追った。
「ザーザーザー」という音。
下から見上げる滝、それは昔のイメージに近い。滝が遠いから記憶と違うのではなく、僕にとって滝とは、見下ろすものではなく見上げるものでなくてはならないようだ。
F式と僕はレンズを換えたり、構図を変えたりして様々な滝の様子を撮る。F式なめの滝、頭に滝が落ちているような構図、白く尾を引いた滝...。
一通り楽しんだあと上に戻り、モミジの綺麗な場所で僕はタバコに火をつけた。白く出る煙は、タバコの煙か、寒さのためか分からない感じだ。何気なくその息を追って、上を向く。すると雲と雲が衝突する場面に出会う。
「F式、上見てごらん、雲がぶつかって行くよ。」
F式も上を向き、二人は黙ってその様を見守る。
標高が高いせいで雲は真近に感じる。衝突というよりニョキニョキと雲の手が出てきてお互い結びついていく感じだ。ゆっくりとしているがその着実な動きはあらがう事が出来ないような、そんな感じがした。

P.S fotofileにも写真アップしました。

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