桜 昼 上野


ものすごい長い文章を書くか、まったく書かないか少し悩む。
僕はそのどちらでも無い選択をする。
「別のことを中ぐらいの長さで書こう。」と決める。


上野までの鈍行列車の中で小説を読みながら、通り過ぎる桜を目で追う。
用水路沿いの桜や、利根川の土手沿いの桜。
通り過ぎては向かってくる桜の木を眺めたり、小説を読み進めたり、比較的好きな時間の進み方だ。
視野の隅に流れていく風景をみていて、昔の出来事を思い出す。
昔どこだかの道を歩いていて、ある写真が貼られているのに気がついた、しかも動いたような感覚を受ける。
何の写真だろうと思い、歩いたまま、何気なく写真に視線を送る。
その瞬間に写真が絵であることに気がつく。なぜ写真、なぜ動いたと勘違いしたんだというような絵だっだ。
その絵は有名な印象派、モネの「日傘の女」だった。
こんな絵を書ける人は脳の構造を熟知している人なのだろうな、と驚いて友人にそのことを話した。
そのことを友人に話すと「お前も気が付いたか」と言った。
そんな昔の出来事を流れる桜の木を見ながら思い出していた。



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