After Dark


帰国してからどうも、時差ぼけのせいで変な時間に寝てしまい、夜うまく寝ることができない。
いっこうに寝くならない気分をそのままに夜を過ごしていると、窓の外には奇麗な朝焼けが広がっているのが見える。
僕は久しぶりに一眼で写真の一枚を撮影する。
この朝焼けをみて僕は、現地で一緒だったオランダ人のことを思い出す。
とあるエアポートで搭乗時間を待っているとき、そのオランダ人は、
「本を買いに行ってくる。」といって待合所の席をたった。
しばらくして帰って来た彼は右手に買ったばかりの本を指差して、
「日本の小説だけど知ってる?」という。
僕はその本の名前を目を凝らして読む。
「After Dark」
僕は興奮気味にバッグから一冊の本を取り出して彼に見せる。
僕の持って来た本は"After Dark"ではなく”海辺のカフカ”だったが同じ村上春樹の本。
「日本人なら知らない人はいないよ。」といい。
しばらく彼が読んだ他の作品の感想を聞くが話の半分以上は聞き取れなかった。
だけど、氏の小説が世界で愛させていて、そして彼もとても好きな作家である気持ちはよく伝わってきた。
そして、僕は”僕”と”私”の使い分けに興味を持って聞くがあまり意味が通じない。
「『I』を探せばいいんだね。じゃあ探してみるか。」と彼は言い、一緒に探す。
そしてフライト時間。


こういう瞬間があるからもっと英語をなんとかしないと、と思う。


P.S『After Dark』を今の今まで『夜明け』だと思っていましたが実際には『日が暮れてから』という意味だと分かり、相変わらずな英語力に悲しい気分になる。(小説も日暮れから夜明けまでのことが書かれていますしね。)