田舎に向かう電車の中で


大掃除やら年賀状やら、色々済ませてようやく田舎に帰る電車の中。
僕はいろいろな思いにふける。
まずいつも思うのは、田舎なのに今住んでいる所よりも東京に近いということ。
田舎イコール田園風景が広がるところではなく、心の田舎とでもいえばいいのだろうか。
よく田園風景が日本の原風景などといわれるが、僕にとっては埋め立て地に規則正しく建売住宅が並ぶ風景が原風景である。
僕の田舎は埋め立て地にあるので、すべてが人工物で満たされている。
街路樹や、埋立地や、幕張の高層ビルや、人工の砂浜も、すべてが人間の手によって作られた風景であり、作られた自然だ。それでも懐かしさと田舎としての存在を少なくとも僕には示している。
人によって原風景は異なるのだろう。歌舞伎町で育てばあの風景も立派な原風景なのだろうなと思う。
そんなことをお土産に買った冷凍餃子の解け具合を気にしながら考えている。
そして一年通して写真の反省をする。
このブログの1月12日に掲載した『いつの間にか雪景色』の写真が一等気に入っている。
この写真は不思議なもので、見るときの気分によってさまざまな違った気持ちや考えが浮かんでくる。
僕にしてはいい写真が撮れたものだと思っている。
そしてさらに考えを進めて、昔ブログにのせたポラロイド写真と組み合わせてムンクの生命のフリーズのように好きなように配置する。それを仕事場の壁に貼っていつでも見れるようにしておき、一瞬の憩いにしていたりする。
来年はこういう写真が取れるように一枚一枚大切に撮っていきたいと思う。


そして今年一年、このブログを見てくれた人達。
「ありがとうね。」
そしてリアルな世界でお世話になった方々。
「ありがとうね。」
そして写真と映画と音楽と小説と漫画達。
「ありがとうね。」
それでは皆さん!よいお年を!