One scene in GW.


GWの最終日、相方の実家に荷物を置きに行った。
実家には私達しかおらず、合鍵で忍びこむように入り、相方の昔の自室に荷物を運び入れる。
部屋の中にはアップライトピアノがあり、さっきまでピアノは引かれたままのように、ピアノは鍵盤蓋が開けられ、譜面もそのままに立てられていた。
ピアノの鍵盤を引くとはなしに、音を出していると、
「1曲披露しましょうか?」という。
僕はピアノの傍らにクッションを置き、相方はピアノの前に座り、ピアノの上から譜面を引っ張り出し、ミニコンサートが始まる。
ピアノの最初の音は、思い描いていたよりも大きな音で腹に響く。
音は間違えたり、譜面をめくるたびに途絶えたりしたけど、「桜色舞うころ」の最後の和音が響きを終える。僕は思わず拍手をする。
そして、その拍手に答えて、
今度は坂本龍一の「Aqua」が軽やかにはじまる...


鍵盤蓋を締めながら、「練習不足だな」と相方はいうが、一人占めのよいコンサートでした。
なんだか、ふと、こういう瞬間が、ふとした時に訪れるのが人生なのだなと思うGW最終日です。