中つ国の旅 〜赤い電車に乗って〜


海南駅から杭州まで2階建て電車で2時間半の旅。
列車の中ではみんなでDSのテトリス対戦をしてあっという間に杭州駅に着く。
駅について改札を抜けると、観光ツアーや宿の客引きが大きな荷物を担いだ僕らの元にワラワラと押し寄せてくる。
「今天的賓館確定了嗎?」と客引き。
中国語でなにやらホテルのインフォメーションの冊子を見せながら話しかけてくる。
僕は訳が分からぬまま唯一知っている中国語を連呼する。
「ブヤオ、プヤオ(いらない)」
どこにも行く当ても無いまま客引きが果てるまで逃げる。
客引きがいなくなったところで、
「さてどうしようか?」と友ちかが言う。
「まずは今日の宿だよな。」とK党。
「適当な値段帯のホテルをピックアップしてタクシーで順々に回ろう。」とF式。
杭州は西湖と呼ばれる湖が中心にある町。
みんなで適当な値段で湖沿いのホテルを3つピックアップしてタクシーに乗る。
第一候補のホテルに向かうため、ガイドブックの『華僑飯店』と書かれたところを差してタクシーの運転手に見せる。
荒いギヤーチェンジでタクシーは動き出す。
密室のタクシーに入ったことで先ほどの客引きの喧騒や、駅の独特のザワツキ感、それらが作り出していた緊張が少し解ける。
だけど止まる宿の決まらない今の状態では、まだまだ緊張感は残っている。

日本なら何気ない事が、言葉が通じないだけで子供の始めてのお使いのような状態になってしまう。
そんな旅の醍醐味を感じながら荒い運転でタクシーはホテルへの道を進んでいった。

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