中つ国の旅 〜西湖と空とけむり〜


第一希望のホテルのロービーで部屋があるかどうか聞くと、あっけなく部屋があるとの事。
しかもシーズンオフのようで予想よりも安い。僕らは三泊押さえてここを拠点にすることにした。
部屋は、上海よりも少し格調の高い部屋で社長が使うような机も備え付けてある。
荷物を椅子に放り投げてベッドにうつ伏せに倒れる。
緊張がスーッと引いていく。
ベットから起き上がり窓際に近寄り、カーテンを開き、窓を全開にする。
窓の外には八年ぶりの西湖が広がっていた。
西湖を眺めながらタバコを取り出し、火をつけて一息つく。
火のついたタバコから昇る煙は、窓の外に漂い、次第に空に溶け込んでいく。薄く曇った空とほとんど波もなく薄曇った湖は境界線が分からないほど入り混じっていた。湖と空とけむりがつながっているような、溶け出しているようなそんな感覚になる。


タバコを吸い終わり灰皿で火を消していると突然、
「グゥーウ〜」とおなかが鳴る。
そういえばお昼をとうに過ぎているのにご飯を食べていない。
「ああ〜おなか減った!まずはなんか食べに行こうぜ!」とF式に言う。

緊張が解けておなかもわがままを言い出したようです。

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