年初めの写美


年初めに東京都写真美術館に行き、寝正月で鈍った頭に刺激を与える。

「甦る中山岩太モダニズムの光と影」
題名どおり影が印象的な写真達。
ライトを下からモデルに当てて背後に写った影から人物の職業なり人生なりのワビサビが伝わってくる。
かっこ良く、悲しく、暖かい。
展示の最後の方には、ガラス乾板に焼き付けられたフィルム?から銀塩印画紙にプリントする行程などがあり、
現在のフィルム衰退のワビサビも語られている。
つまり二つの手法でモダニズムの光と影が表現されている。


ランドスケープ 柴田敏雄展」
臨場感のある人工物風景の大型写真。
汚い写真ではないのだが、なんだか人間の自然を浸食して行く小賢しい力のようなものを感じる写真達。
人間のゴキブリ感とでも呼べばいいのだろうか?
昔、子供雑誌にあったような未来図とは真逆のスタンスを感じる。


どちらの写真展も別々の意味で一筋縄ではいかない写真達。
年初めには良い刺激です。