A cat and a crow in ueno park stare at me.


実家に帰るのに、そのまま帰るのはもったいないと思い、
旧友K氏を呼び出して、上野をふらつく事にする。

上野公園をぶらつくと、猫と烏が奇妙な組み合わせで何やら話し合っている姿を発見する。
カメラを取り出して、構える。
すると、「邪魔すんなっ」とばかりに睨まれる。
なかなか鋭い目つきです。


上野公園の催し物掲示板を見て、見てみたい展示会を探す。
結局、妥協案的に「ボロゲーゼ美術館展」に決定する。


K氏は小学校の時に絵の学習塾に行っていただけあって絵がうまい。
しかし、長い付き合いの割に、驚くことにK氏とは一緒に絵を見た事は一度もなかった。
そのため、K氏がどういう視点で絵画を見るのかという興味が湧いた。


絵を見始めると、僕の方がさらりと次の絵に向かうのに対して、
K氏は僕よりゆったりと鑑賞している。


僕は、聖人を描かれた絵のいわゆる「天使の輪」が気になる。
聖人はいくつかの絵で描かれており、時代や作者に寄って微妙に異なる。
引っ掻き傷のようなエッジの効いた輪や、オーラのようなホワットしたものや、
場所も頭の上や、頭に架かったものまでいろいろな描かれ方をしている。


さて、気になるK氏の見立てだが、
一番気になったのが支倉常長と慶長遣欧使節の絵。
理由は、「日本人がこの時代にヨーロッパに行ったなんて、小説や映画にしたら面白そうじゃない?」
と絵と全く関係ない所に引かれていた。(ネットで調べると既に小説やマンガにもなっていますね。)
そして、メインの「一角獣を抱く貴婦人」は、二人とも「修復前の方がいいじゃん」という話になる。(bが修復前です。)
また、腕がデフォルメされた絵に興味を持っていた様でポストカードを探していたが、
色彩が悪かったらしく購入せずに終わる。

もう上手に聞き出せればK氏の美術感が分かったかもしれないが、聞き手の手腕不足だなっと痛感する。


そんな土曜日です。