芸術の秋


秋晴れの中、上野公園をふらつき、展示会案内を見て興味のありそうなものを探す。
その中に「院展」の文字を見つける。
僕は美術に熱心なわけではなく、院展がどのようなものなのかも知らないし、どのような人が書いているかも、とにかく何もかも知らない。
しかし、展示時期が良いためか、振り返れば3年連続で見ている事に気づく。
そして、毎年どんな作品が出ていたかをまったく覚えていないのだが、それでも
「また見てみるか」と思うのだから、結構楽しんでいるのだろう。


会場に入り、iPodをお笑いPodcastから、最近お気に入りのドビッシーの「月の光」に変更して大量の絵をツラツラと見て行く。
音楽を聴きながら流し見したり、興味のある絵はしばし足を止めて見入る。
そんな、美術好きな人には怒られそうな、かなりラフな鑑賞スタイル。


絵というものは、子供の頃学校の授業で書いたり、大学時代に、映画の絵コンテを書こうとして、デッサン人形相手に書いたくらいしかない。
それで、うまく書けず、「絵なんて面倒くさい」とすねている自分がいる。


だからかどうか分からないが、展示されている絵をみて、
「良くこんな大きなものを最後まで書ききれるな。」という作者の努力を思う気分と
百年以上の時代に耐えて来た名画と比較して
「ここのタッチは手抜きだな」などといっぱしの批評家気取りな気分にもなったりする。これが、善くも悪くも偽りない僕の絵画の芸術鑑賞スタイルです。


ただ、唯一お進めしたいのが、展示会で一番自分が気に入ったものを一点選ぶという事。
賞や作者名に影響されず、自分の心にヒットするオンリーワンを探すのだ。
今回は225の『浸食』だろうか。


もし興味のある方は是非上野で芸術の秋を過ごしてみては?
普通の海外作品の企画展に比べて絵を見れる環境にある事がメリットです。
(海外の美術館だと驚くような名画が独り占め出来るくらい空いているのにね... T_T)